「じゃあ聞くけど、あんたたちの願いはなんだった?」


あたしは手を下ろし、静かな声でそう質問をした。


咲が眉を寄せる。


「咲は大崎くんとの恋愛。真里菜はお金。光は美肌。でもあたしは違う」


あたしはジッと咲を見つめた。


咲がたじろぐのがわかった。


「あたしは、幸せであることを願った」


「それがなに!?」


「あたしが幸せになるためにはまず、なにが必要だったと思う?」


「知らないわよそんなの!」


もったいつけているせいか咲の頬が怒りで染まっていくのがわかった。


目は釣りあがり、まるで本物の鬼のように見えてくる。


「知らないわけがないでしょう? あたしをイジメて、あたしの平和な日常を奪っていたくせに!」


つい、声が大きくなってしまって、口を閉じる。


咲が目を見開いてあたしを見た。


「あたしが幸せになるためには、あんたたちが消えることが必須だった。絶対様は、それを実行してくれているだけだよ」


「そんな……」