バランスを崩したところで振り向いた咲は一気に階段を転げ落ちてきたのだ。


あたしは咄嗟によけていた。


階段を歩いていた数人の女子生徒から悲鳴があがる。


咲はあちこちからだをぶつけて下まで転げ落ち、ようやく止まった。


完治していない足首が、また妙な方向に折れ曲がっている。


呆然としてその様子を見つめている間に、救急車の音が聞こえてきたのだった。