(聞かれた、、?でも、あれ、“ 俺の曲” そしてこの声)


「梓くんに似てる.... 」
「いや、本人、君面白いね」


え..... 梓くん!? 
さっきまでのどんよりとした気持ちが嘘かのように、消えていく。そして、驚愕(きょうがく)のあまり硬直


「でも驚いたな、修羅場に出くわしたと思ったら、奇跡の出逢い、運命じゃない?」 
「え?」
「だから、君との出逢い。俺のパートナーになってよ」



「何言ってるんですか!?パートナーって、え?」 
「俺がピアノを弾くから君には歌ってほしい、俺が君をプロデュースする」



、、、


神様、これは夢なのでしょうか .... ?
そうですよね、夢に決まってる、じゃないとあまりにも可笑しい。



たしかに、合唱部(幽霊部員)なのもあり歌の音程は人並み以上にはとれてると思う。


いや違う、問題はそこではなく、
何で“カレ”がここに居るのか、そしてプロデュースって、 


駄目だ、考え出せば出すほど頭が痛くなってくる、そしてさっきの出来事も、、とりあえず


「ごめんなさい、体調が悪くて、親が待ってるのでもう帰ります!!」 


捲(まく)し立てるように一目散に逃げた。
そんな嘘通じる訳はない、けど、もう“カレ”とは会う訳無いんだから気にするつもりもない。



“ 奏(かなで)ちゃんか.... まさに奏でる、だね”


取り残された、生徒手帳を見て“カレ”が呟いた事は私は知らない。