ねえ、私とあなたが初めて話した日覚えてる?

こんな風に雨が降っていたね。

あなたは私の傘に入ってきて

「駅までいれて?」

なんて言っちゃってさ。

私知ってたよ。

あなたが傘を持っていたことも。

ずっと話す機会をうかがっていたことも。

あなたは知らないでしょ?

私があなたをずっと目で追っていたことも。

帰る時間を調節してあなたと鉢合わせしようとしてたことも。

あなたが告白してきたとき、私すごくうれしかったの気づいてた?

感情を相手に伝えるのは苦手だったけど

あなたになら伝えられていた気がするよ。

社内恋愛だから秘密にしようねって私が言ったとき

「二人だけの秘密ってなんかいいね」ってあなたは言った。

あの時だけは《二人だけの秘密》って言葉なんかワクワクしちゃったな。

あなたが恥ずかしがり屋だってことも

緊張すると顔が真っ赤になるところも

お酒に酔うとすぐにつぶれてしまうところも

私の親友があなたのことを好きだってことも

私は付き合ってから初めて知った。

あなたにはどうってことないことかもしれない。

でもどうしても無理だった。

自分の大切な人が泣いているのを見るのは。

俺のことは大切じゃないのかって言われそうだけど

そうゆうわけじゃない。

ただ、私の中で折り合いをつけられなかっただけ。

あなたは私の大好きな人。

親友は私の大切な人。

あなたと過ごした日々は少しの間だったけれど

私にとっては人生の中で一番輝いていた日々だった。

宝物だった。

勝手に理由をつけて振っちゃってごめんね。

自分勝手でごめんね。

さようなら。

私の大好きだった人。

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