恋をするということはどういうことなのか。
友人は言っていた。
今まで信じていなかった占いを信じてしまうことだと。
妹は言っていた。
たまたま見かけたおまじないを試してしまうことだと。
姉は言っていた。
おみくじの恋愛の欄を一番に見てしまうことだと。
朝、眠い目をこすりながら、双子座の運勢を見る。気になる人と急接近しちゃうかも、なんて、そんな子供騙しに、少しだけ期待した。
「ねぇ、この曲を最後まで聴くと、好きな人から連絡が来るんだって」
妹のその言葉に、「へぇ」と興味のない返事をして、自室に戻って真っ先に検索をかけて、その曲を聴いた。
「ねぇ、どうだった?」
手元から視線を上げると、そこには残念そうな姉の表情。
「私小吉だったー…。梨沙は?」
「あ、えっと、末吉」
「微妙~」
その言葉に軽く笑って返して、先ほどまで見ていた欄にまた視線を戻す。
『恋愛 自ら行動を起こすべし』
その言葉に彼の姿を思い浮かべて、明日の朝、「おはよう」と声をかけてみるべきか悩む。
あぁ、私はもう、どうやら恋をしているらしい。
End.
友人は言っていた。
今まで信じていなかった占いを信じてしまうことだと。
妹は言っていた。
たまたま見かけたおまじないを試してしまうことだと。
姉は言っていた。
おみくじの恋愛の欄を一番に見てしまうことだと。
朝、眠い目をこすりながら、双子座の運勢を見る。気になる人と急接近しちゃうかも、なんて、そんな子供騙しに、少しだけ期待した。
「ねぇ、この曲を最後まで聴くと、好きな人から連絡が来るんだって」
妹のその言葉に、「へぇ」と興味のない返事をして、自室に戻って真っ先に検索をかけて、その曲を聴いた。
「ねぇ、どうだった?」
手元から視線を上げると、そこには残念そうな姉の表情。
「私小吉だったー…。梨沙は?」
「あ、えっと、末吉」
「微妙~」
その言葉に軽く笑って返して、先ほどまで見ていた欄にまた視線を戻す。
『恋愛 自ら行動を起こすべし』
その言葉に彼の姿を思い浮かべて、明日の朝、「おはよう」と声をかけてみるべきか悩む。
あぁ、私はもう、どうやら恋をしているらしい。
End.