見た目は…優男にしか見えない。なのに眼光とか冷酷さがある。
「僕と共にしないか?…いい返事を待ってるよ」
は?どういう意味?俺そっちの趣味は…。
「ちょっと待てよ…いきなり意味わかんねぇんよ、あんた…共にってどういう意味だよ。殺すとか、何だよ…逃がしてくれそうにないけど、逃げるのも選択肢あんのかよ?名前とか聞いてないけど」
「よく喋るねぇ、キミ。…僕は桐生卓人。君がいま、生と死の狭間にいることがよぉ~く分かったかな?…1を選んだところで生きて帰れるわけないだろ」
まさか!!
き、きりゅう!?あの桐生!?まさか、じゃあ…間宮はこいつと…。
「…分かった。2番だ。お前のところに居てやるよ」
答えは簡単だった。従うのが生き残れる手段だ。
「そう。話が早くて助かるよ。君はそう言うと思っていたよ、加藤晶くん」
はっ…名前…いつ知られたんだ!?
いや、何もおかしな事じゃない。俺のつまんねぇ生き方を指摘したんだ。名前調べないわけないか。
気まずくなって視線を逸らす。視線の先で机に伏せて寝ていた間宮が顔を上げた。
「ん…あ、卓人くん。出かけてたんじゃなかったの?」
「いま、帰ってきたんだよ。彼もここで僕の役に立ってもらうことになったから。よろしくね」
「…それは私に面倒を見ろってこと?押しつけはダメだからね。彼を誘ったの卓人くんなんだから」
「はいはい…全部押し付けるわけじゃないよ。教育を頼んでるだけだよ。僕はここにいるから里未さん、人数分だけ何か作ってきてよ」
「もう…人使い荒いんだから…」
ブツブツ言いながら間宮がキッチンに入っていった。
二人の会話を黙って聞いていたが、驚いた。
あまりにも間宮が堂々としている。桐生との生活が長いのか?怖いとか思わないのか。
「君…何か変なこと考えてない?」
二人になったリビングで桐生が話かけてきた。