あっという間にテーブルがごちそうで埋まる。
五目ちらし、エビチリ、ローストビーフ、揚げ物にお刺身とメイン料理がいっぱいで、サラダもマカロニサラダと山盛りキャベツサラダが並んでいた。
五目ちらしは少し味が濃かったけど絶品で「とっても美味しいです」と感想を言うと、拓ちゃんが一番喜んでいた。

食事の間はお父さんとお兄さんが私に気を使ってくれて、色々と聞いてくれるけど、お母さんと兄嫁がすぐ話を切り替えてご近所の話やら親戚の話をし、私に見えない話で盛り上がる。
お母さんと兄嫁のマシンガン身内トークに拓ちゃんものり、完璧アウェーな昼食になって、私はマカロニサラダに入っているチェリーを見つめて時間の経過を待っていた。マカロニサラダのチェリーを初めて見て不思議な気持ちになっていた。拓ちゃんは生まれてからずっとマカロニサラダにチェリーが入っていたのだろうか、そこの家々での歴史としきたりを改めて感じてしまう。それに慣れるか無理なのかで、また私たちの関係は変わってしまうのかな。

目の前の光景がドラマのワンシーンのように、私はテレビの前に座っている観客気分だった。
チャンネル変えたいけど、一番頼りにしている人はドラマの中心人物で笑顔だった。
こんな時も拓ちゃんの笑顔に見惚れてしまう私は、チャンネルをかえる事はできないんだろうな。