想像通りの広いリビングで、南側の出窓には鉢植えの花が並んでいる。
ベージュのソファセットに大型テレビを通り過ぎ、拓ちゃんはそこにあるふすまを開くと、広い和室が現れた。
「あー疲れたー」
言葉とはうらはらに明るい元気な声で拓ちゃんはそう言って、畳の上にゴロンと大の字になって横たわる。この行動で私は拓ちゃんの実家大好き感をひしひしと感じてしまった。
「優奈さんも疲れたでしょう。寝転がっていいよ」
そう言ってくれたけど、『そうします』と言えるわけがない。アウェーすぎる私には拓ちゃんしか頼る人がいないのに、妙な危機感が忍び寄る。これはどうしたものかと私は頭の中をフル回転させていた。
それから
兄嫁が私たちを呼び、リビングとキッチンの間に置いてある大きな食卓テーブルに案内され、拓ちゃんのお父さんとお兄さんを紹介された。お兄さんと兄嫁の間には高校生と中学生の男の子がいるのだけど、今日は学校祭の準備で不在だった。父親似の大人しい男の子らしい。
お茶を飲みながら自己紹介をして、両親とお兄さん夫婦と私たちの6人で会話をするけど、お父さんとお兄さんは口数の少ない人でお母さんと兄嫁がずーっと会話を弾ませていた。
私に対する質問攻撃も多く、拓ちゃんが自慢げに私の会社に対する地位や収入を匂わせると、兄嫁の目が細いのにもっと細くなってゆく。
「家賃も水道光熱費も支払ってもらっていて、本当に申し訳なくて」
拓ちゃんが恥ずかしそうにまたそう言った。
このセリフは私の親の前でも言っていた。私の親は『それは本人同士が決めることでしょう。うちの娘なんかもっと迷惑かけてるんだから』って笑ってたけど、拓ちゃんのお母さんは目に涙を浮かべて。
「そのお金、お母さんが出してあげる!だから卑屈になるんじゃありません。かわいそうな拓ちゃん」と……言われてしまい、私は口を開けて動きを止めてしまった。
ベージュのソファセットに大型テレビを通り過ぎ、拓ちゃんはそこにあるふすまを開くと、広い和室が現れた。
「あー疲れたー」
言葉とはうらはらに明るい元気な声で拓ちゃんはそう言って、畳の上にゴロンと大の字になって横たわる。この行動で私は拓ちゃんの実家大好き感をひしひしと感じてしまった。
「優奈さんも疲れたでしょう。寝転がっていいよ」
そう言ってくれたけど、『そうします』と言えるわけがない。アウェーすぎる私には拓ちゃんしか頼る人がいないのに、妙な危機感が忍び寄る。これはどうしたものかと私は頭の中をフル回転させていた。
それから
兄嫁が私たちを呼び、リビングとキッチンの間に置いてある大きな食卓テーブルに案内され、拓ちゃんのお父さんとお兄さんを紹介された。お兄さんと兄嫁の間には高校生と中学生の男の子がいるのだけど、今日は学校祭の準備で不在だった。父親似の大人しい男の子らしい。
お茶を飲みながら自己紹介をして、両親とお兄さん夫婦と私たちの6人で会話をするけど、お父さんとお兄さんは口数の少ない人でお母さんと兄嫁がずーっと会話を弾ませていた。
私に対する質問攻撃も多く、拓ちゃんが自慢げに私の会社に対する地位や収入を匂わせると、兄嫁の目が細いのにもっと細くなってゆく。
「家賃も水道光熱費も支払ってもらっていて、本当に申し訳なくて」
拓ちゃんが恥ずかしそうにまたそう言った。
このセリフは私の親の前でも言っていた。私の親は『それは本人同士が決めることでしょう。うちの娘なんかもっと迷惑かけてるんだから』って笑ってたけど、拓ちゃんのお母さんは目に涙を浮かべて。
「そのお金、お母さんが出してあげる!だから卑屈になるんじゃありません。かわいそうな拓ちゃん」と……言われてしまい、私は口を開けて動きを止めてしまった。