そう書かれていたので、「お邪魔します」とだけ言って中に入り数秒してから目の前の襖がすぅーと開いて中から腰の60度くらい曲がった老婆がでてきた。この人が麗音の祖母なのだろうか。いや、そうじゃなかったら怖い。でも、目元が少し似ている気がする。
「えーっと、突然お邪魔してすみません。麗音さんと仲良くさせてもらってる吉岡湊です。」
そう声をかけるとその麗音の祖母らしき人は軽くニッコリと笑って、
「こちらこそ、いつも麗音と仲良くしてくれてありがとうね。ほら、お上がり。」
そう言って手招きして僕を招き入れてくれた。思ったより優しい人でよかった。とそっと胸をなでおろしておいた。