音のないこの世界で

いつも通り普通に授業を受け、放課後を迎えた。
僕の予想通り雨は止んでいたが、歩いて帰ることには変わりはない。智の家は学校と僕の家の中間くらいにある。しかも、ちょうど河川敷を通らないといけない。
智には特に何時に行く、とは言ってないので河川敷に寄ってから向かうことにする。
河川敷に到着するともう麗音はいて、体育座りをしていた。濡れてないか心配したが、ダンボールに座っていた。ので少しだけ安心した。
そして、初めて彼女を見た時みたいにリズムに合わせてゆっくり揺れていた。まるで、メトロノームみたいに一定のリズムで。
僕は肩を軽く叩いて僕の存在を彼女に知らせた。
すると彼女は、僕の分のダンボールを敷いてくれてから、既に書いていたのかすぐにノートを僕にみせてきた。