音のないこの世界で

明日は特に宿題とかは出ていないので、少し横になりながら麗音のことについて考えていた。
どうすれば彼女がもっと楽に話せるだろうか。紙に書いて話していると、どうしても時間がかかる。
確か、あれは僕が小学生の頃、クラスメイトに麗音と同じように耳の聞こえない男子生徒がいた。
みんな、彼とはこの前の麗音と同じように紙に文字を書いて会話をしていた。でも、担任の先生とだけは手を使って会話をしていた。
あれが『手話』と言うやつなのだろうか。
それを使えば会話ができるのだろうか。
そうだとしても、どうやって知るべきだろうか。
考えても無駄だってことはわかってるけど、どうしてもどうにかしてあげたかった。