そしたら智は「いや、」と話始めた。
「なんか。壁があったというか。別になんでも話せる仲が友達だとは思ってないけど、どこかに俺には知りえない壁がずっとあってさ。それが今壊された気がする。」
「私も同じ。智と出会わせてくれた湊には感謝してるけど、私もどこかなんかしらの壁を感じてた。そういえば麗音にはこのこと話したの?」
話したと答えると麗音のことも話さなきゃいけないしそれは僕から話してしまっていけないし、あの今は僕しか知らないことを話さなきゃいけない羽目になる。それだけはごめんだ。
「うん、話したよ。というかさっきそれを話してた」
ということにしておこう。すると智の隣に座っていた茜が顔をひょっこり出して、
「んで?告ったの?」
「は!?」
茜がいきなり変なことを聞くから変な声が出てしまった。
「そーだよ!告ったの!?」
智が畳み掛けるようにそう言ってきた。僕は平常心を取り戻し質問に答えた。
「……告白はしてないよ」
「え!?してないの?うわぁー意気地無しー!」