僕は外にいたさっき僕らを中に入れてくれた人達に謝った。
「いいんだよ。後夜祭の準備はもうほとんど終わってるし。麗音さんが聞かせてくれたあの綺麗なピアノと歌声のほんの少しのお礼だよ」
優しい人で良かった。僕は再び頭を下げてから智にLINEをした。
『本当にごめん。すぐそっち行く』
とだけLINEしてすぐに智と合流して僕らは歩いて河川敷に向かった。
「茜ー。後夜祭行かなくていいの?」
そう聞いたのは智だった。
「平気!私去年参加したけどちょっとあのノリ苦手というか。麗音も同じこと言ってた。」
あれは麗音が気を遣ったわけではなかったのて少しだけ安心した。
「そういえば麗音は?」
「今片付けしてるって。ずくに河川敷に向かうって言ってたよ」
「やっぱり麗音に会ってたのか!」
智には珍しくカマをかけられた。でも、嘘をつくつもりはサラサラない。
「ああ。麗音に会ってた。」
「そっか!」