待ちに待った文化祭当日の午前10時、僕と智は待ち合わせをしてから麗音達のいる高校に向かった。
麗音のお父さんには『来る時はLINEしてください』と一応送っておいた。母との接触を避けるためだ。
目的地についた。麗音たちの高校は思ったより広かった。僕らの高校の倍くらいあるグラウンド、新築工事が済んだばかりの真新しい校舎。僕らの高校とは全く違う校風だった。
「チケット拝見しまーす!」
校門を抜けるとすぐ横に受付があった。僕と智は言われた通り財布からチケットを取りだし受付の女の子にチケットを渡した。
「ここに名前を書いてください!そして、その隣に誰に招待されたかを書いてください!」
自分の名前を書き、その隣には麗音の名前を書いた。
麗音は僕とあった日自分の名前が変だと言ったけど、今はどう思っているのだろうか。少しだけ気になった。
「記入ありがとうございまーす!ではいってらっしゃい!」
とても元気のいい女の子だった。受付にピッタリだ。