次の日の放課後。今度は智に僕と茜が呼び出されたため、また智の家の智の部屋にいる。でも、麗音は呼ばれてないみたいだ。部屋に入るなり智はいきなり、
「頼む!」
土下座をしていた。
「頼むってなのをだよ。もしかして麗音がいないのと関係あるのか?」
あとから来るという訳でもなさそうだった。実際麗音が来てないのに頼み事をされた。
「ああ、大いにある。茜と湊には申し訳ないけど俺に手話を教えてくれ。」
今更感すごい。でも、とりあえず麗音が居ない理由が麗音が嫌いだからという理由ではなくて良かった。
「あ、だから麗音がいないのね!」
「うん。そういうこと。今まで2人が通訳みたいなことしてくれたじゃん?でも、それじゃダメな気がして……」
それなら考えがあったし、強力な助っ人がいる。
「それなら任せろ。助っ人がいる。明日一旦俺の家に来てくれ。茜も来たかったら来てもいいよ」
茜だけ仲間ハズレにするのは気が引けたから一応誘っておいた。