でも、麗音はめげずに頑張っていた。こんなに頑張っている理由が麗音のお母さんへの復讐のためだというのは僕は嫌だ。出来ればお父さんに聞かせるためであって欲しいけど、実際のところそれは麗音自身にしか分からない事だから考えても仕方がなかった。
「あ、おはよー。いやー夏休み終わっちゃたねー｣
そうなのだ。今日で夏休みも開けて二学期が始まった。支度を済ませてすぐに学校に向かう。
「はいー！残念なことに夏休みは終わりましたね〜」
登校初日、学校に行くと担任の高橋先生が最初に放ったのがその発言だった。今日も絶好調で何より。
「夏休みどっか行ったって人〜」
クラスの半分くらいがその先生の質問に手を挙げた。
後はクラスの中心人物とかに高橋先生がどこに行ったか聞いていたが正直どうでもよかった。
その日の放課後。いつもの4人で智の家にいる。理由は麗音が僕らを呼び出したからだ。どうやら1曲目が完成したらしい。
「じゃあ…弾くね」