8月も終わりを迎えようとしていた。
「おはよう」
あれから母は普通に家に帰ってきて普通に仕事をしている。もちろん向こうの上司が母を気にかけたのか仕事に行く数が減った気がする。その代わりと言ったらあれだけど僕はバイトの数を増やした。朝は新聞配達をして昼は夏休み限定で商品をラッピングするという単純作業をしていた。夕方かけて夜はどうしてもバイトを入れたくなかった。これも全部麗音と会うためだ。麗音とLINEで話したあの日から毎日河川敷で『今日の太陽』とのお別れを一緒にしている。
たまに智から遊びに誘われることがあったが大抵茜がいて、結局麗音も誘うことになり、いつもの4人で遊ぶことになっていた。智達は今でもラブラブだ。
そして、麗音のピアノの練習も順調だ。一時帰国した智のお兄さんにたまに聞いてもらったりしたが流石は元?ピアニスト。ダメだしを貰うことが多々あった。