僕は今病院にいる。
僕が病気という訳ではない。
麗音の家を出て、自分の家に着いてすぐに僕の携帯に知らない番号から電話がかかってきた。それに出ると母の職場の上司だった。君の母が倒れた。と言うので今世紀最大の速さで病院に行くと母がベッドで寝転んでいた。なんの病気なんだろうとか。死んでしまうのだろうか。とか色々頭が混乱していた時に頭の毛のない60代位の医師が僕のところに来て経緯を説明してくれた。
「とりあえず座ってくださって構わないですよ」
僕は言われるがまま丸い椅子に腰を下ろした。
「そんなに心配しなくても大丈夫ですよ。軽い貧血ですから。多分働きすぎたんでしょう。少し休めは良くなりますよ。なので2日位入院することになりました。もしかして母子家庭かい?」
色んな患者を見てきたのかすぐに僕の諸事情を言い当てた。