僕が黙ってしまっていると麗音は今度は手話で、
『庇ってくれて。ありがとう』
僕は悪いことをしたんじゃなかった。
麗音が泣き止んでから、僕らが会場を後にしようとしたら「おーい！」とさっき麗音のことを悪く言っていた隣の席に座ってい会社の後輩？みたいな20代前半位の人に呼び止められた。
「さっき部長が変なこと言ってすまない。部長はああゆうことを平気で言う人だから。だから気にするなとは言えないけどただただ本当にすまなかった」
彼は深々と頭を下げた。僕らはただそれを眺めてるだけだったが茜が口を開いた。
「だとしても言っていいことと悪いことの区別くらい分かりますよね。それと、部下に謝らせるってどうかしてますよってあの部長にお伝えください」