その智の独り言に反応したのは智の出来たての恋人である茜だった。そして、座席は4人テーブルだったので必然的に麗音が僕の隣に座っている。顔には出てないと思うが、僕は言うまでもなく緊張していた。
「じゃあ二人はどうする？」
その二人というのは僕と麗音のことだが、僕はまだ何を食べるか決まっていなかった。麗音を見ると朝食セットを指さしていたので自分も同じものを頼むことにした。チラッと智を見るとニヤついていた。少しだけ睨んでその場を済ませた。
朝食を食べ終えると、少し早いが僕らは会場へ向かうことにした。向かいながらいい店があったら寄るという形にした。茜は食べてばっかりだった。麗音は音楽の街ということもありピアノを見つけては軽く何かを弾いたりして周囲の人を巻き込んで、弾き終わると大きな拍手なんか貰ってたりしていた。そんな様子を僕と智は微笑ましく見ていた。
そろそろ向かわないと行けない時間だったので向かうことにした。