次の日の朝、僕らはチェックアウトした。僕らは1階のフロントで智と茜の2人を待っていた。
それと、別にあの後麗音とは何もなかった。個人的にも進展なしだ。でも、智は違ったみたいだ。
エレベーターからでてきた二人は手を繋いでいた。
麗音はその2人の様子に驚きを隠せていなかった。麗音は茜の方に急いで近づき、僕と茜が初めて会ったあの日みたいに2人で手話で会話をしていた。あの日の僕は何を言ってるのな理解できなかったけど今なら理解出来た。
『おめでとう！！』
『ありがとう！』
そんなようなニュアンスだった。僕が見ていることに気づいた茜と麗音は背を向けて手話をし始めた。見られたくない内容だったのかもしれない。少しだけ気になったが、今の僕にはもう盗み聞きの趣味はない。