智はおもちゃを買ってもらった子供みたいにはしゃいでいた。それに対して僕は再び「ああ、そうだな」とだけ返事をした。そして、こっちの湯加減もバッチリだ。なんかいい匂いもする気がする。ペットボトルにでも詰めて母のために持って帰ってあげたいと一瞬だけ考えてしまったレベルだ。もちろん、そんなことはしないしする勇気もない。
その後は1時間くらい話をしてから風呂場を後にして、待っていてくれた麗音と茜と4人で部屋に戻った。
部屋に戻るとすぐに麗音は紙とペンをカバンから取りだし何かを書き始めた。長いことを話す時は僕に気を遣って紙に書いてくれる。
『勘違いかもしれないんだけど。あの二人って付き合ってるの?』
僕はその文字を見て思わず笑ってしまった。そんな僕の様子を見て麗音は頭にはてなマークを浮かべていた。僕はすぐに麗音のノートに笑った理由と質問の答えを書いた。