8月の半ば、僕達は電車に乗って静岡県に向かっている。
僕はこの日までにバイトだったり、2日に1度河川敷で麗音と二人で『今日の太陽』とのお別れをしたりを繰り返していた。
文化祭のピアノの方も茜曰く順調との事だ。たまに僕も顔を出しているが、ほとんど顔を出せていない。
「いやー!マジで楽しみ!ピアノ聞くこととか海とか!」
あの日から智は随分と積極的にはなっているがまだ付き合えてはない。2人の気持ちを知っている僕からすると焦れったい。
「もうすぐ着くかなー!?」
相変わらず茜は落ち着きがない。麗音は一生懸命携帯でピアノの練習をしていた。僕は麗音の肩をとんとんと叩き、麗音がパッと顔をあげたので手話で、