顔を真っ赤にして僕のことを何度も叩いてきた。
「ごめんごめん」
謝ったところで本題に入ろうと思う。ペンとノートを取りだしスラスラと【ある考え】について書く。もちろんお父さんを誘ったことは書いてない。
『文化祭のことで少し提案があるんだ。僕の友達に防音でピアノのある部屋を持ってるやつがいるんだけどそいつに部屋を借りた。放課後なら何時でもいいらしいから明日にでも行ってみない?これなら節子さんに聞かれないと思うんだけど……』
書いた物を見せると麗音は目を大きく見開いていた。
「……いいの?」
小さな声だったがきちんと聞こえた。僕は深く頷いて了承した。
そのあとは世間話を少しだけして『今日の太陽』とお別れの時間が来たので黙って見続けた。でも、麗音はなんかノートに書いていた。僕は太陽と麗音を交互に見ながら麗音が書き終わるのを待った。書き終わったらしく僕にノートを渡してきた。