「あ、来たのか。」
「おい!俺の話を無視するなよ!」
「あ、悩みなんてないよ」
「じゃあ、なんであんなポーズとってた?」
これ以上は面倒臭いので話を逸らすことにした。
「んで、今日は観光案内してくれるんだろ?」
「え、俺そんなこと言ったか?」
「言ってないけど、俺、横浜来るの初めてなんだけど」
「じゃあ仕方がねーな!案内してやるぜ!」
と言われたので、仕方がなくついて行くことにした。というか、分からないのでそうせざるを得なかった。
「まずは中華街だろ!」
智は随分と張り切っている。僕も一旦【ある考え】については置いといて楽しむことにした。
「へー横浜にこんなところがあったんだな。」
随分と美味しそうな店がズラリと並んでいた。いい匂いもする。それにさっきから勧誘が凄い。もちろん全部断ってるけど。確かに今日は何も食べてないが何故か腹は空いてない。
「どっか入るか?」
智がそう聞いてきたが入る気はサラサラなかった。
「いや、入らなくていい。」
きっぱり断ると智が「そーか。なら、別のところ行くか!」と言いかけた時に僕はあるポスターを見つけた。先に行こうとする智を呼び止めた。
「智ー!これ見てみたい。」