権利……。そんなものは必要なのだろうか。聞きたいと思ったら聞くべきだろう。でも、口には出さなかった。だって僕が言えた義理じゃないから……。
「じゃあ、とりあえず言いたいことは言ったので僕は帰ります。コーヒーありがとうございました。初めて飲んだんですけど美味しかったです。」
それ以上は言っても意味がないと思ったし、僕も無理に連れていきたくはなかった。ちょっと前に智からライブに誘ってもらった時と同じだ。無理して行くと場の空気を悪くするのは僕がよく知っていた。だから、きちんと行きたいと心からそう思ってから来て欲しい。今日はあくまで麗音のお父さんに会いに行って話を聞いてもらうのが目的だ。でも、そう何度も会えないので連絡先を聞くことにした。
「あの……LINEってやってます?そう何度もここには来れないので、念の為交換しておきたくて…」
一応念の為。すると、すんなり「ああ、やってる。友達は母親以外誰一人いないけどね……」と言って交換してくれた。
「そういえば君の名前はなんて言うんだっけ、済まないがさっきはあんまり聞いていなかった。」
「吉岡湊です。覚えてくれると嬉しいです」
「吉岡……」
「どうかしました?」
「いや…なんでもない」
「じゃあ失礼します」
そう言って麗音のお父さんの家を後にした。
「じゃあ、とりあえず言いたいことは言ったので僕は帰ります。コーヒーありがとうございました。初めて飲んだんですけど美味しかったです。」
それ以上は言っても意味がないと思ったし、僕も無理に連れていきたくはなかった。ちょっと前に智からライブに誘ってもらった時と同じだ。無理して行くと場の空気を悪くするのは僕がよく知っていた。だから、きちんと行きたいと心からそう思ってから来て欲しい。今日はあくまで麗音のお父さんに会いに行って話を聞いてもらうのが目的だ。でも、そう何度も会えないので連絡先を聞くことにした。
「あの……LINEってやってます?そう何度もここには来れないので、念の為交換しておきたくて…」
一応念の為。すると、すんなり「ああ、やってる。友達は母親以外誰一人いないけどね……」と言って交換してくれた。
「そういえば君の名前はなんて言うんだっけ、済まないがさっきはあんまり聞いていなかった。」
「吉岡湊です。覚えてくれると嬉しいです」
「吉岡……」
「どうかしました?」
「いや…なんでもない」
「じゃあ失礼します」
そう言って麗音のお父さんの家を後にした。