「じゃあ……言うね……。実は……学校の……文化祭で……ピアノを……演奏する……こと…になって」
もしかして麗音の耳を聞こえないのをよく思わない人達が無理やり麗音に演奏させようしているのかな。
麗音は口で言ってくれたけど僕は紙に書くことする。
すぐにカバンから随分前に買ったノートと筆箱からシャーペンを出して『クラスメイトとかに無理やりやらされたの？』そう書いて麗音にみせたら、麗音はクスッと笑ってから首を横に振った。
「違う…。自分から……」
僕は少しだけほっとしたことと、早とちりしてしまったことで複雑な感情が頭の中をぐるぐるした。
『それで、僕は何をすればいい？』
そう書いてから見せると麗音は真剣な顔になって、
「私が出している……音が…正しいか……聞いて……欲しいの」