あ、手話教室の方に行くのか。毎日というのは本当なのだろうか。
「本当に毎日手話教室開いてるんですね」
「ん?いや、本当は毎日じゃない。3日に1回とかだけど色んな人がバラバラに来るから、私は毎日行っているだけさ。要するに、月曜日に来る人も居れば、火曜日に来る人、水曜日に来る人、木曜日に来る人、金曜日に来る人、様々おる。わしはただ色んな人に習いに来て欲しいんじゃ。障害者の方達がこの世界で暮らしやすいように。」
やっぱり節子先生は優しい。それに、教室を開いたのは麗音のためだと思ってた自分を恥じた。世界全体のことを考えて行動している節子先生はやっぱり凄い。
「そのおかげで麗音は近所だったらだいぶ問題なく過ごせておる。」
「凄いですね…」
僕は聞こえるか聞こえないか分からない声でそう呟いた。