「またいつでもおいでね。そうだ。麗音ちゃんにもよろしくお願いね」
そう言ってくれた後に続けてみんなが手を降ってくれた。凄い優しい人達だ。節子先生はと言うと静かに頭を軽く下げるだけだった。ドアを開けて部屋を出ようとする時に節子先生が、
「好きな時に来な。お前さんの学校が終わる時間には大抵ここにおるから｣
これが世間体で言う『ツンデレ』と言うやつだろうか。僕は「はい！」と返事をきちんとしてから部屋を後にした。
今回の節子先生の授業で軽い自己紹介はできるようになった。自分の名前と年齢と趣味だけ。でも、趣味は「音楽を聞くこと｣なんてわざわざ麗音の前では使わない。どう頑張って優しい言葉を使って言っても嫌味になってしまう気がするから。ていうか、なる。