「カレン⋯」

ん?誰?

すごく体もだるいし頭も痛いから起こさないでほしい⋯。


「カレン大丈夫?」


目を開けると金髪にグリーンの瞳の美少年が⋯いえ(わたくし)のお兄様がいた⋯。
お兄様は(わたくし)の2歳上なので9歳です。

(わたくし)どうしたんですの?」


「風邪で高熱が出てから4日も目を覚まさないから心配したよ」


「4日も?お兄様ご心配かけてごめんなさい」


「心配するのは当たり前だろう?カレンは私の可愛い姫なんだから」


っっ!!
恥ずかしいセリフを満面の笑みで言うお兄様が怖いです。

「それはありがとうございます」


「もっと嬉しそうにして欲しいところだけど、カレンの体も本調子じゃないからこの辺にしとく。私は部屋に戻るけどなにかあったら言うんだよ?カレンわかった?」


「はい。お兄様」


そしてお兄様はご自分のお部屋に戻られた。


相変わらずお兄様は(わたくし)に甘い。
甘すぎてアイスクリームみたいに溶けてしまいそう⋯。

(わたくし)どうしたらいいのかしら?
目が覚めると同時に頭の中に沢山の記憶が流れてきましたの。
これって前世の記憶なのかしら?

前世の(わたくし)は田中華蓮(かれん)
あら?カレンと言う名前は変わらなかったみたいね⋯。
おっと話がずれた。

日本と言う国のOLで23歳で交通事故で死亡したみたいですわ。
恋人もいなかったようで⋯前世の私可哀想すぎます!!
って私前世の喋り方に戻ってるし⋯。

なぜ突然前世を思い出したのかしら?
思い出した所でどうにかなるもんでもないと思うんだけど⋯。


うーん⋯どうしようかと悩んでいるとふと鏡が目に映る。

うわぁ~可愛い女の子だわ♪
⋯ってちょっと待て、(わたくし)は今鏡の前にいて鏡を見ている⋯って事は鏡に映っている可愛い女の子は(わたくし)?⋯えーっ!!


カレン・アルベルトの容姿は金髪にピンクの瞳で髪は腰辺りまであり緩やかウエーブでとても綺麗な髪で前世の私とは似ても似つかない程に愛らしい姿なのである。
そう言えばお兄様も美少年だから妹の私ももれなく可愛い感じなのね⋯。


「お嬢様!!」

ん?お嬢様とは誰のこと?って(わたくし)か!!


(わたくし)の専属侍女のメル・アイリスが心配そうな顔をして
私を見ていた。