卒業式の後私は一息ついてから教室のドアを開けた、静寂に包まれた教室にポツンと1人椅子に座って机の上に置かれた花を眺めている。
「あんたここにいたんだ」
「花瓶ってホントに置かれるんだね初めて見た」
「私もよ」
「ね~すず卒業式どうだった?」
こうやって話すのもいつぶりかな
「その質問には感動したって答えればいいのかな」
「お好きなように」
「じゃ~退屈だった」
「すずらしいよ」
なんだろう頬に何か変な感触が伝わってくる
わかってるわかってるよ涙を拭う
「そうだ僕の卒業証書は?」
「無いに決まってるでしょ」
「やっぱりか~」
「当たり前でしょ」
「悲しいね」
「知らないわよ」
教室に流れる沈黙私は呼吸を整えて話を切りだす
「私ね」
「すずちょっと後ろを向いててくれないかい面と向かって話すの恥ずかしいからさ、すずあのさ僕ねすずのことが好きだったんだ太陽みたいに笑うところとか好きなんだだからもう泣かないでくれよ」
また教室に沈黙が流れる、私は振り向いたそこには彼はいなくて目の前の机には花瓶に生けられた花が咲き誇って教室には私だけ1人ポツンと立っていた私の頬をつたう涙を夕暮れの日差しが照らし出す
「ごめんね我慢できなかったよ」