この部屋は幸いにもベッドが二つに分かれているタイプだった。これも彼女なりの気遣いなのか、それともたまたまなのか。別にどっちでもいいけど。
翌朝、彼女からの命令はなくなる形で朝を迎える。電話がなっている。彼女は電話の音で起きたのだ。携帯を確認するも僕ではない。つまり彼女宛の電話だ。彼女は寝ながら手探りで携帯を探し、電話に出たがまだ脳が眠っているみたいだった。
「もしもーしどちらですか?」
もちろん向こうからの声は僕には聞こえない。
「それに関してはごめんね。いつか絶対説明するから今は許して?」
「ありがとう!」
「誰と旅行してるか?えーっとね」