思ったよりお風呂場は小さかった。でも、一人で味わうには十分だ。髪を洗い、身体を洗い、それから風呂に手を突っ込む。いきなり入って熱かったら心臓に悪いのだ。ちょうど良い湯加減だ。入ると全身の細胞が喜んでいる。相変わらず心臓は悲しんでるけど。
確かにこれは長風呂になる気持ちは分かる気がする、景色も綺麗だし、自然のいい匂いもする。目をつぶるとついうっかり寝ちゃいそうになる。
気づいたらつい長風呂になってしまった。浴衣に着替えて部屋の中に入る。
「随分長かったねー。私の残り湯でも堪能してたのかな?」
「そんなわけないでしょ、ただ湯加減が気持ちよかったんだよ」
「確かに湯加減最高だったよね!あと自然の香りも凄かった!」