「ちょっと待って、なんで鍵をひとつしか持ってないの?」
「同じ部屋だからに決まってんじゃん!」
笑顔で答える彼女に僕は唖然とする。
「………手違いってこと?」
「いいや、予約通りだよ?」
この子は僕が女の子に見えるのだろうか。
でも、僕が手を出さなければいい事の話だ。実際出す気はさらさらない。
「あのさぁ、これからは男女で同じ部屋に泊まるのは恋人だけにした方がいいよ」
彼女は天然なのだろうか、それともただ単に馬鹿なだけなのだろうか。おそらく両方だろう。
「分かってるよ!君以外にこんなことしないよ」
「わかってくれたらならいいけど」
全然良くはないけど。