ホームルームが終わると僕は松浦さんに校舎裏に呼び出された。
「ねぇ、単刀直入に聞くけど、芽依とどういう関係なの？」
冷たい目で僕を見ながら吐き捨てるようにそう言った。そんな彼女も僕の病気のことを知ったらどんな顔をするのだろうか。少しだけ、気になった。でも言う気はさらさらない。だから、僕は普通に返答する。
「駅でたまたま会っただけなんだ。君たちが考えてるような関係じゃないよ」
「それが本当ならいいんだけどね。あんたじゃ芽依に釣り合わないから」
最後の一言は余計だと思う。普通に傷ついた。
でも、信じてくれた見たいで助かった。
「たまたま会ったからって変な気を起こさないでよね」
たまたまあったくらいじゃ変な気は普通起こさない、と思うけど。言ったら松浦さんの逆鱗に触れるかもしれないので黙っておく。
「起こさないないから安心して」
笑顔でそう伝えると松浦さんは、
「なら、いいけど」
そう言ってから教室に帰って行った。