当たり前だ。彼女みたいなクラスの中心人物と教室の端っこで本ばかり読んでいる僕が一緒にいるところを見られたらお互い損だ。
「じゃあ今日はボーリングに行くでいい?」
確か、ボーリング場は電車に乗らないといけないし、さすがに休日にボーリングしてる人なんてお年寄りばかりだから構わないと思った。
「構わないよ」
「君のしたいことでしょ?」
いたずらっぽく笑った。
彼女は病人の前ってこと忘れてるんじゃないかってくらいよく笑う。それに確かに随分昔に、
・蓮以外の友達とボーリングやカラオケに行ってみたい。
そう書いた記憶がある。隅々まで見られたのか、別にもう構わないけど。とりあえずボーリング場がこの街にないことを一応、彼女に伝える。
「確か、ボーリング行くにはまずは電車に乗らないといけないよ」
「電車でどのくらい?」