理由なんて簡単だ。
「それは………みんなが僕なんかに興味無いから、知ったとしても意味無いし、もうすぐ死ぬって人がクラスメイトにいたらみんなの迷惑だし、僕も目立ちたくない」
本音を話したあと少しの沈黙が流れ、彼女が口を開いた。
「……じゃあ、なんで私には正直に話してくれたの?」
「それは…」
それは僕が小学生の頃、病院で見かけて僕と仲良くしてくれた優しい女の子に彼女の顔が似てるからなんて言えない。その子は僕と小学生だったけど本当にそのまま成長させると彼女みたいな顔になる。でも性格が全然違う。彼女みたいにうるさくなくお淑やかだ。
そして、こういう女子はその手の話をすると「好きだったの?」って聞いてきてめんどくさいのだ。もちろんこれもあくまで小説の中での話。
「ところで今日はどこに行く予定?早めに帰りたいんだけど」
「なんでよ!」
「君なんかと出かけてるところを誰かに見られたら噂なるからだよ」