「ごめんなさい、少し体調崩してて」
そう言った。人生で初めて学校の先生に嘘をついた。
それから、1ヶ月間何事もなくすごした。
でも、私には時間が無いから急いで彼と近ずきたい。そう思っていると、高校三年生が始まったばっかりの頃、病院に行くと、どういう訳か彼がいた。
心臓がドクンッと大きな音を立てた。
私は思わず話しかけていた。
「……橋本春斗くんだよね?」
それから私の最後の春が始まった。

『ああ、そうだったんだね……』
朝、目が覚めると何故か泣いていた。