「ママ?パパ?……私病気なの?」
そうやって私はストレートに質問した。
すると母が目を見開いてボソッと、
「芽依…………………」
その後、両親は黙ったままだった。数秒間、沈黙が続いて重い空気が流れた。両親はお互いの目を合わせて頷いてから母がその重い口を開いた。
それからは両親の口から語られたことはよく覚ていない。ただ、自分には脳に病気があって、通院が必要という事と生まれた頃から入院していたから幼稚園や保育園に通えなかった、ということだけは覚えてる。
自分が病気だということを知ってからはまた、ひっそりと生きることにした。両親に迷惑をかけないように。朱里ちゃんの他にできた友達はそんな私を、遊びに誘わなくなったが、朱里だけは私の友達でいてくれた。それが何よりも救いだった。