三年生になって初めての体育の授業で、嬉しいことが起きた。転校したてきたばっかりの松浦朱里ちゃんって子が屈託のない笑顔で「一緒にペアやろ!」そう私に声をかけてくれた。奇数から偶数になったから当たり前だったけど当時の私は、その時、初めて私はひとりじゃないんだって思えた気がした。それからはずっと朱里ちゃんと仲良くした。いや、してくれたと言った方が正しいかもしれない。激しい運動が出来ない私に朱里ちゃんは色んな遊びを教えてくれた。一番やってて楽しかったのは「神経衰弱」っていうトランプの遊び。あの頭脳戦は小学生の私にはとっても楽しかった。それから、朱里ちゃんとは毎日のように一緒に遊んだ。初めて学校に行くのが楽しみになった。