「違う!芽依は病気だったんだ。誰にも話さなかった。僕にも話してくれなかった。知らなかったからって許して欲しいなんて思ってない。でも…このノートを君に…どうしても読んで欲しい」
彼女は目から大粒の涙を滝のように流しながら一ページ一ページをめくりながら真剣に芽依のノートを読んでいる。
「あんたが…病気?………芽依が…病気?心臓…移植?芽依が……あんたの……ドナー?」
彼女は最後まで読み終わると、僕の方へ二冊のノートを返して睨みつけながら
「この話が本当だったとしても、芽依の頼みだからってあんたとなんて友達になんてなりたくない。芽依はなんであんたなんかに……」
泣きながら吐き捨てるようにそう言って公園から出ていこうとする彼女を僕は無意識のうちに彼女の腕を掴み引き止めていた。