芽依のお母さんは僕の話を頷きながら聞いてくれた。今にも泣きそうだった。そして口を開いた。
「そうしてくれるとあの子も喜ぶわ。あの時ね、私は移植することを止めてたのよ。でも、今は私、あの時にあの子の選択を信じて良かったって思ってる、だって相手があの子の初恋の子なんだもの…」
自分の娘が死を受けいれて臓器を他人にあげるなんて言い出したら普通耐えられない。
本当に頭が上がらない。それと、やっぱり芽依のお母さんは僕のことを知っていたんだ。
どうやって芽依に感謝の意を示せばいいか、今はわかった気がする。それは芽依の夢を叶えることだ。でも、それは僕の夢でもある。