でも、あの二人だけは真実を伝えなければいけないと思った。僕が病気だったこと、芽依が病気だったこと、芽依のおかげで僕が生きられていること、彼女の遺書のことも、全部。
僕は退院してすぐに芽依の家に向かった。
ここに来るのは二回目だ。インターホンを押したら、すぐに芽依のお母さんが出てきてくれた。
「あら、久しぶりね」
優しい声でそう言ってくれた。
「あの……葬式やお通夜に出れなくてすみません」
そして言い訳みたいで嫌だったが葬式とお通夜に出れなかった理由を話そうとしたけど、先に芽依の母親に言われてしまった。