読み終わると僕は吐きそうになるくらい泣いた。
ここが病院内だってことも忘れて。大声で泣いた。赤ちゃんみたいに。
「うぅ…………うああああああ………」
悔しかった。気づいてあげられなくて、気づく機会は沢山あったたずなのに。
そして嬉しかった。君が僕のことをそんなふうに思ってることが、そしてそれが叶わぬ恋だったとしても僕も君を好きになって本当によかった。
彼女に沢山お礼を言いたい、でも言えない。僕は彼女ともう喋ることも、あの笑顔を見ることさえも出来ない。
彼女は後悔はしてないと言った。それに比べて僕は後悔だらけだ。あの時に僕も母に病院の女の子のことを聞いとけばよかった。芽依があの病院の女の子だってわかっていたら……。いや、わかってなくても伝えるべきだった。僕の本当の気持ちを芽依に。
泣きじゃくっていると芽依のお母さんが僕の手を握りながら
「本当にありがとう、芽依と仲良くしてくれて、本当にありがとう。芽依はあなたと出会って最高の人生を送れた思うわ」そう言ってくれた。
「お礼を言いたいのは僕の方です……」
言いたいことはいっぱいあったのに泣きすぎていてそれしか声が出なかった。
いつの間に部屋に入ってきていた両親はそんな様子の僕を何も言わずに見届けてくれた。