「まず、牡丹。線香花火の始まりは人生の始まりって意味。
次に、松葉。線香花火が一番光る時。人で言う、人生のピークで結婚や出産などを表してて。
次に、柳。散る方向が決まった時。人で言う、育児とかが一段落着いた時を表してて。
最後に、菊。火花が消えて、火球だけが残って、そして散る。人で言う最も儚い瞬間。人生の最後って意味らしいよ」
蓮は「へー、知らなかったー」しか言わなかった。
でも僕はそれを語ってる時の芽依の悲しい顔がどうしても気になったのと今気づいたが、顔色が悪い気がする。だから、小声で芽依に声をかけた。
「顔色悪けど大丈夫?」
「大丈夫。君と違って健康体だよ」
笑顔で小さな声でそう返された。心配だったけど、その後の花火は笑って楽しくやっていたので気にしないことにした。それに気づいたら僕も芽依ばかり見ていた。