「せーの!」
その彼女の掛け声で火をつける、もちろん水は用意してある。僕らの線香花火は満天の星空に負けないくらいに綺麗だった。やっぱり線香花火は好きだ。
「綺麗……」
そうつぶやく彼女の目にはうっすら涙見えた気がした。
「そうだね…」僕もそっとつぶやく
それに続いて蓮も
「そうだな…綺麗だな」
芽依のことを見ながら言っていたので、花火に向かって言っているのか、芽依に向かって言ってるのか分からない。まだ諦めてないのかな。
「昔ね、どっかの本で読んだんだけど、線香花火って人の人生を表してるらしいよ」
芽依は線香花火の豆知識を語り始めた。