僕の涙が乾いた頃、改めて母が来てくれた。家事があるらしく一度、芽依と一緒に帰ったのだ。
ちょうど良かった。母に頼みたいことがあったのだ、ノートのことで。
「母さん、もし僕が死んだら…」
「死んだらなんて言わないの、絶対お医者さんが治してくれるから」
母は最後まで諦めない気だ。言葉に力がみなぎっていた。僕はそれ以上言わなかった。言ったら本気で怒られると思った。また今度頼もう、そう思った。