そんなできる女の芽依は静かに黙々と果物の皮を剥いている。頑張ってリンゴでうさぎを作っているが、お世辞にも不恰好。でも、それはそれで芽依らしくて可愛いらしい。それにしても包丁が不安定で手を切ってしまいそうで怖い。
それから芽依は数分間リンゴと戦い、激闘の末、全て剥き終わったようだ。
「やっと剥き終わった!」
芽依はうさぎ型のリンゴに爪楊枝を刺し「はい、あーん」と口を開け僕に食べさせようとするが、僕は無視して芽依が剥いてくれた芽依が手に持っているものとは別のうさぎ型のリンゴを食べた。
「つれないなぁ!」