芽依まで泣きそうになっている。すぐに突っ込む。
「なんで芽依が泣きそうになってんだよ」
するとすぐに母親らしき人が来て子供が泣き止んで、僕らにお辞儀をして去っていった。僕らは何もしてないけど。
それにしても芽依はやっぱり優しい人なんだ。僕はこういうところに惹かれたんだと思う。
「いやー、びっくりだねー」
それはこっちのセリフだ。そのまま芽依に伝える。
「びっくりしたのはこっちだよ」
「なんで?」
芽依は何事も無かったかのようにそう言った。
「いや、芽依が泣きそうになってたから」
すると彼女は顔を真っ赤にしながら
「な、泣いてないし!」
そんな彼女を見て僕は思わず笑ってしまった。
「笑うなー!」
「ごめんごめん」
「……でも、嬉しいなぁ」