彼女のあれは本心だろう、やっぱり素直だな。
でも、僕はその笑顔を自分だけのものにしたくてしょうがなかった。
「ど、どういたしまして」
それに対して蓮はデレデレしていている。はっきり言って気持ち悪い、こんな蓮を僕は初めて見た。
そこから僕らは夕方まで勉強をした。
もっとする予定だったが「お客様が増えてきたので、そろそろ退席お願いします」と店員さんに言われてしまったのだ。
芽依だけは逆方向なので、必然的に僕と蓮のふたりで並んで帰っている。少し歩いたところで蓮が大きなため息をしてから、
「あーー!めちゃくちゃ緊張したー!」
いつもの蓮のテンションに戻った。少し安心した。
「なんでそんなに緊張してたの?」
今日、一番気になったことを聞いてみた。
「ただの女子の前だとしないけど気になる女子の前となると緊張するんだよ」